かつてフジカラーが「綺麗な人はより美しく、そうでない人はそれなりに…」というキャッチコピーをCMで使っていた。当時、小学生だった矢沢の脳裏にも刻まれるほど、言いえて妙のコピーだったが、写真を生業にするようになってから、あらためて、この言葉の持つ重みを実感している。
確かにそうなのだ。素材力の高いコは撮る側のイマジネーションも膨らみ、幅広い演出プランにも耐えうる。しかし、そうでないコはコピーどおり、「それなり」にしか仕上がらない。制作サイドがこのようなことを言うと元も子もないが、それだけ素材の持つ力というは大きいということだ。
その点で群を抜いているのが、今年「SUPER GT」イメージガール「angelic」の一員としてサーキットデビューした永井麻央だ。実は矢沢、縁あってサーキットデビューする少し前に彼女を撮影している。スタジオに現れた彼女は等身大の18歳。身長こそ169センチと長身だが、ふわふわした天然キャラで実に子供っぽい印象だった。
PHOTO/TAKANORI YAZAWA
↑デビュー前の貴重なテストショット。ちょいとアゴが上がり気味?
撮影を始めると、さっそく新人特有の兆候が見られた。ポーズや表情を作ろうとするがあまり、不自然な力が入ってしまうのだ。彼女の場合、笑顔になればなるほどアゴが上がる癖が見受けられたので、それを矯正する意味で、無理に表情を作らないように指示してみた。すると!
一瞬にしてファインダー越しの世界が変わった。物語の1シーンに吸い込まれるかのような奥行きが生まれたのである。背景は白一色。ライティングもアングルも然したる工夫は無い素の写真。それなのに写真から彼女の肉声が聞こえてくる感覚が……。これだけのイマジネーションを駆り立てられるのは、矢沢がこれまで撮影して来た中で、映画の主演女優クラスのみ。経験値の少ない永井麻央に関しては、もはや素材力としか言いようが無い。
PHOTO/TAKANORI YAZAWA
↑奥行き! それは女優クラスだけが醸し出す力。抜群の素材だ。
それから間も無く、彼女が「SUPER GT」のイメージガールに決まったと聞く。サーキットで再会した彼女は、更に表情の奥行き感が増していた。「このコは何を見、何を考え、そして何処に向かおうとしているのか!?」今現在の表情が、同時に将来に対する期待と不安を一緒に物語っているかのようで、見れば見るほど不思議な感覚に陥る。
永井麻央…彼女の物語はまだ始まったばかりだ。
RQジャーナリスト 矢沢隆則
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