新人レースクイーンを取材する上で、ファーストインプレッションは極めて重要。そのコの評価を8割方決めてしまうといっても過言ではない。そういった意味からも初取材はとくに真剣勝負。矢沢はひときわ感性を研ぎ澄まし、現場に挑んでいる。
すると、ファインダー越しに原石の光を放っているコを見つけることができる。そのひとりが、今回ご紹介する佐久間ゆいだ。
PHOTO/TAKANORI YAZAWA
老舗チーム「ENDLESS」の一員としてサーキットに立った彼女は、メンバー8人という大所帯チームにおいて、165センチと最も背が高い。それだけでも十分、目立っているのだが、撮影を始めたるや否や、ただ者ではないことに気づかされる。ポーズバリエーションと表情の豊かさが半端じゃないのだ。
正統派の笑顔でRQらしいポーズを決めたと思えば、すかさず半身になり愁いを帯びた表情を浮かべる。体重を掛けるバランスも、なにげに膝を曲げる角度も絶妙だ。「次はどんな表情を見せてくれるんだ!? そう来たか! じゃあ、次は!?」心の中で呼応しながら、どんどん夢中になって行く。それは、ある種の恋愛感情。気がつくと、四十過ぎのオッサンが、佐久間ゆいの前では中二の童貞野郎だった。
勝負ごととしては完敗。しかし、こんな心地良い敗北感を新人で感じることはほとんどない。ベテランRQでも一握り。「いったい何者なんだ? もっと、彼女のことが知りたい!」さっそく調べてみると案の定、今年の「戦極ガール」の中に彼女の名前を見つける。ノーマークだった悔しさがこみ上げる。これは、もう一度、撮影の機会を設けなくては・・・。
「戦極ガール」は奇しくもメンバー5人中、4人が現役RQ。その一角に名を連ねているあたり抜かりがない。すでにブレイクの準備は万全のようだ。今シーズンが終わる頃、佐久間ゆいは皆の知るところとなっているだろう。