「レースの日は4時起きなのであった！」

注目新人RQ★31

スーパーGT「AUTECH Race Queen」

宇田ゆき☆課せられた女

PHOTO/TAKANORI YAZAWA

↑テーマは「日々是修行」？　禅僧もまっつぁおの求道GIRLかえ!!？

「レースの日は、朝４時起きが当たり前だったんです!!　私も、相方の五十嵐梅ちゃんも朝が弱いので、早く起きた方がメールして起こし合うようにしていました。起こされる回数は、年上の私の方が多かったんですけど……（笑）」。そんなエピソードを話してくれたのは、今年RQデビューした宇田ゆき。大学4年生でもある彼女は、２年前にアルバイトでイベントコンパニオンをやった際、そこでRQをやっているコと知り合い、レースの仕事に憧れを持ったという。そして今春、NISMOのオーディションを受け、みごと合格。AUTECHサーキットレディとして、１年間、サーキットに立つことになった。

そのNISMOは、日産の名門レーシングチーム。はたから見れば大抜擢だ。彼女が手こずった「朝が早い」ということに解説を加えよう。RQのサーキット入り時間はチームによって様々だが、NISMOのRQは本戦日（決勝レースの日）の際、朝８時から行われるファンイベント、『キャンギャル・オンステージ』（通称ギャルオン）でチームPRをするため、他チームより、いち早くサーキット入りする。当然、それまでにヘアメイクと、コスチュームの準備をしなければならず……朝４時には起きなければならないということになる。

そんな苦労をしつつも、得られたものは大きかったようだ。「もともと人見知りで、人前で話すのが苦手だったんですけど、RQになってから、スポンサーさんと接し方や、人前での話し方などを教えて頂くことを通して、随分と克服できたように思います」と自信に満ちた笑顔を浮かべた。だが、果たして、そればかりだったのだろうか!?　矢沢は勘ぐらずにはいられなかった。なぜなら、昨年までAUTECHサーキットレディという枠は、RQ界でトップクラスの人気を博した、実はる那が務めていたからだ。

実はる那はAUTECHがNISMOのスポンサードを始めた06年から3年間、一貫してRQを任されてきた。1年契約が基本のRQにとって、同チームの契約を継続してもらえるということは信頼の証。事実、彼女はその期待に答える活躍を見せ、3年間で時代を代表するRQの仲間入りを果たした。宇田ゆきはその後任である。彼女に圧し掛かったプレッシャーは計り知れない。そのことを本人に投げかけると、「そうなんですよぉ〜！」と大きく肯き、言葉を飲み込んだ。その様子を見ながら、矢沢は今シーズン接した彼女のあらゆる場面を、走馬灯のように思い出していた。

PHOTO/TAKANORI YAZAWA

↑左から、３月／５月／９月。進化とあかぬけっぷりが手にとれて見える連続写真。