打てば響く”にぎわい”のキャラクター

注目新人RQ★26

SUPER GT

「JIM GAINER with バルドラールフェリスRQ」

朝倉ゆりな☆人生を演じる女

  初めて取材カメラの前に立つ新人の大半は緊張でガチガチだ。何かしらの活動履歴があるコでも、サーキットという独特の雰囲気に飲まれ、本領が発揮できないコも珍しくない。そんな中、SUPER GT「JIM GAINER with バルドラールフェリスRQ」としてデビューした朝倉ゆりなだけは、開幕戦の時点から実に伸び伸びしていた。スキルが伴っていたことはもちろんだが、全身から放たれるアピール力が半端ではない。それはもう、新人の域ではない。「こいつ、ただ者ではないな!!!」。彼女のルーツに、とても興味が湧いたーー。

PHOTO/TAKANORI YAZAWA

 ↑鹿児島うまれの”よかおごじょ”なんでありますよ、奥さん！

朝倉ゆりなは小さい頃から芸能界に憧れを持ち、高校時代にはブライダルモデルや、地方CMに出演していたという。卒業後も居酒屋でバイトをしつつ、その夢を暖めていたのだが、昨年の7月に転機が訪れる。もともとスポーツイベントに関わりたいと思っていた彼女は、その分野に長けている事務所をネットで検索。現在所属する事務所の門を叩き、採用を期に上京してきた。 

最初に受け持った仕事は、フットサルのFリーグ「Bardral URAYASU」のマスコットガール。試合後のヒーローインタビューや、千葉テレビで放送されているチームの応援番組で、試合の解説までしていた。そして今年、「Bardral URAYASU」がSUPER GTに参戦している「JIM GAINER」のスポンサーをすることになり、マスコットガールを務めていた彼女が、RQも兼任することになったのだ。 

そんな経歴が裏付けるように、彼女の喋りはとても流暢だ。なにげない雑談の時もハッキリとした滑舌。相手の目を一点に見つめ、一生懸命伝えようとしている意志がひしひしと伝わってくる。リアクションも大きく、打てば響くキャラクター。時として、他の誰かを演じているかのようだ。 

このように撮影のみならず、喋りの部分でも完成度の高さを見せ付けてくれた朝倉ゆりなだが、日常的にも、そのような仕草をするようになったのには、暖めているもう一つの夢によるのではないかと矢沢は分析した。

PHOTO/TAKANORI YAZAWA

 ↑BODYの表現力だけでなく喋りの部分の完成度も高い！

実は彼女、将来的には女優を目指しているそうだ。切っ掛けは高校時代に見た舞台「THE WINDS OF GOD」。少人数のキャストと、シンプルなセットだけで繰り出される表現力と迫力に圧倒され、いつか自分も舞台に立ちたいと思うようになったという。 

そんなルーツを知ると、これまで撮った写真も見方が変ってくる。スポーツイベントに関わりたいと願っていた彼女にとって、サーキットは絶好の舞台。その一方で、女優に憧れている彼女が、カメラを観客に見立ててパフォーマンスしていたとすれば、あの迫り来るかのような表現力や、伸び伸びとした様子にも合点がいく。 

朝倉ゆりな……彼女にとって、人生そのものが演じる舞台なのかもしれない。