東京お台場にエンジン音が鳴り響いた興奮の1日!
『モータースポーツジャパン2009』潜入ルポ!
先週10月10-11日に、お台場特設会場で行われた、『MOTORSPORT JAPAN2009 Festival in Odaiba』。ブースが出るのは各自動車メイカーから警視庁まで、という、走るクルマはエコカーからF1マシンまで、という、この幅広さ。ニッポンの自動車/交通の一大お祭りです。
さて、そのお祭りで出くわした、当サイトのインタヴュアー/笑いにうるさい関西人のスケタケが思わず腹をかかえた「レーシングドライバー面白発言ベスト10」をご紹介しましょう。ニッポンのトップドライバーは、コメント上手が多いこと! ドライバーのキャラも楽しんでみましょう。
PHOTO/OSAMU FUJIMARU
第10位 「新幹線」
松田次生選手
SUPER GT・GT500クラス「TEAM IMPUL #12 IMPUL カルソニック GT-R」
フォーミュラ・ニッポン「LAWSON TEAM IMPUL」
「乗りたいカテゴリー? なんでも乗ってみたい。ルマンも、F1も、新幹線の運転席も。乗り物なら何でも」
※07年、08年と史上初2年連続Fポン王者の松田選手は、知る人ぞ知る、名うての”テツ”なのでした。しかし、新幹線もカテゴリーに入っているのかい!! ちなみに彼は三重県生まれ。「俺はスズカの2コーナーでおぎゃーと生まれた」がお決まりの名台詞です。
第9位 「がんばれ〜」
中山友貴選手
SUPER GT・GT500クラス「NAKAJIMA RACING #32 EPSON NSX」
レース中の中嶋(悟)監督との無線のやりとりについて。
「中嶋監督からは(呑気な口調をまねして)『中山、がんばれ〜』ぐらいですよ。こっちも『了〜、解〜』っつって、ブーーンと」
※激闘のなか、ものすごく”癒し”なやりとりをやってるの?
第8位 「お父さん」
星野一樹選手
SUPER GT・GT300クラス「MOLA #46 エスロード MOLA Z」
「お父さん……そりゃ怖いですよ! 僕にはふたり父がいた。休日にキャッチボールしてくれる人もいましたから」
※星野選手の父は、神々しくも「日本一速い男」と呼ばれた往年の名ドライバー星野一義。「小さいときからおもちゃはクルマしかなかった」とか。厳しい父の猛反対を振り切ってデビューしたのが一樹選手です。
第7位 「正しい進化」
本山 哲選手
SUPER GT・GT500クラス「NISMO #1 MOTAL AUTECH NISMO GT-R」
「子供の頃から順番にいうと、ミニカー→プラモ→ラジコン→ポケバイ→カート、と、僕はレーサーとして正しい進化を遂げてきました(笑)」
※昨年度SUPER GT王者の本山選手の進化の過程。4輪レーサーで、ポケットバイクをやっていた選手は珍しいんです。”ミニカー→プラモ→ラジコン”までは男の子ならやってそう。その延長にレーシングドライバーがあるとは、なるほど!
第6位 「勝手に改造」
本山 哲選手
SUPER GT・GT500クラス「NISMO #1 MOTAL AUTECH NISMO GT-R」
「ふだんの愛車はGTR(スカイライン)です。でもいま、荒(聖治選手)のフーガと交換していて。フーガもいいっすよ。で、僕は他人のクルマだから大事に乗っているんだけど、荒が僕のGTRを断りなしに勝手にガンガン改造しているという!」
※もういっちょ本山選手。しょうがねーな、って感じで笑ってました。アイツなら? やるわな、みたいな。「みなさんもクルマをカスタマイズして楽しんでほしい」と。
PHOTO/OSAMU FUJIMARU
SUPER GTのマシンのデモラン、アーンド、TOYOTA F1のデモランを、ほんとに、サーキットでは考えられないような近さで見ることができるイベント。まさに目の前を通り過ぎて行く(カメラマンたちは、ひぃ〜とのけぞっていた)。が、その時に感じたのは「マシンの軽さ」! ふだんのレースでは絶対見せないドリフトやドーナツターンを繰り広げる様を目の当たりにして感じたこと→ 猛烈爆発エンジンが後部で暴れんばかりにブンブン回ってて、そんでもって車体が軽いもんだから、ブワオブワオと、鼻息荒く前掻きする"馬"のような感覚に思えるんです。空に向かって今にも吹っ飛びそう! 「あぁ、これは空力で前輪付近を地面に向かって押さえつけなくては、たいへんなことになってしまう!」ってことが手に取るようにわかりました。ここが最大の収穫。うん、これはサーキットではわからなかったヨ。
第5位 「新兵器は使わず」
SUPER GT・GT500クラス「NAKAJIMA RACING #32 EPSON NSX」
フォーミュラ・ニッポン「NAKAJIMA RACING」
「今年はOTB(オーバーテイクボタン)を使う機会がありませんでした。パッシング(追い抜き)の必要がありませんでしたから」
※それくらい、彼のマシンは速かった。堂々の2009年のフォーミュラ・ニッポン王者。OTBとは1レースに5回使用できて、20秒間だけエンジンの回転数があがる装置。
第4位 「変わった気がしない」
伊沢拓也選手
SUPER GT・GT500クラス「AUTOBACS RACING TEAM AGURI #8 ARTA NSX」
フォーミュラ・ニッポン「DoCoMo TEAM DANDELION RACING」
「(一勝するまでに)時間がかかり過ぎた。やっと勝てたというカンジ。多くのメールや電話がうれしかったです。でもひとつ勝っても何かが変わった気はしません」
※SUPER GT第7戦でついに初優勝。鈴木亜久里監督も、Qブロ!インタビューで伊沢選手のことを気にかけていた土屋圭一氏も、大喜びだったに違いありません。2勝目、3勝目を!
第3位 「前の方で」
小林可夢偉選手(TOYOTA F1)&中嶋一貴選手(WILLIAMS F1)
「これまでのノウハウを活かして、自信を持って乗ります」
(☆小林選手は先だってのブラジルGPで、F1デビューを果たしました)
そのセリフを聞いたF1の先輩・中嶋一貴選手は、
「僕も楽しみ。コースでのバトルでは負けません」
そのあと、
小林「僕らは絡んでもぶつかることはないよね、おたがいがわかっているから」
中嶋「ただ、絡むなら(順位が)前のほうでね!」
※このふたり、カート、フォーミュラトヨタ、ユーロF3時代、とずっと一緒に走ってきた同じ釜のメシを食った仲。F1の同じレースで走れることがうれしそう。
第2位 「チームメイト」
蜜山祥吾選手
SUPER GT・GT300クラス「R&D SPORT #62 R&D SPORT LEGACY B4」
「チームメイトの山野(哲也)選手の肌が黒すぎちゃって、隣に並ぶと、いつも僕の顔色が悪く見える。あれは日サロですから。僕の体調もいいんで、ええ、心配しないでください」
※ツーショットで並ぶことが多い同チームのドライバー。相方の見え方によって、自分の見え方も変わってしまうというプチ”グチ”?に笑えました。
第1位 「臭い?」
中山友貴選手
SUPER GT・GT500クラス「NAKAJIMA RACING #32 EPSON NSX」
「チームメイトがフランス人(この記事、第5位に登場したロイック・デュバル選手)なんで、乗り変わると、香水の匂いがすごい! クルマの中がいい匂い。最初は臭かったんだけど、慣れちゃった(笑)」
※22歳の若手、中山選手は名コメンテーターとしても要注目。SUPER GTはレース途中でドライバー交代がありますが、秒を争う真剣勝負のなかで、そんなことを感じていたとはね! 「彼がどこにいるか、いつエレベータに乗ったか、全部匂いでわかります。ホテルで、『あ、アイツ先に下に降りてるんだ』、とか(笑)」。今度、パドックでデュバル選手をみつけたら、こっそり背後から匂いを嗅いでみましょう。
とまぁ、見どころ、聴きどころたっぷりのイベント『MOTORSPORT JAPAN2009 Festival in Odaiba』、来年はみなさん行ったほうがよいですよ! おすすめです。
Reported by SHIN SUKETAKE